こんにちは、モンジュです。
今回は、製造工程3つ目の「発酵」を紹介したいと思います。
アルコールを作る大事な工程です。
それでは、行きましょう!
発酵とは?
発酵とは、微生物である酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に分解する反応を利用してアルコールを得る工程のことです。
この工程はウイスキーのみならず、他の様々なお酒でも存在します。

ウォート(麦汁)を発酵させて出来たアルコールを含んだ液体のことをウォッシュと言います。
発酵の内容
発酵は次のような流れで行われます。
ウォートを発酵槽に移す
まずは、前段階で得たウォート(麦汁)を発酵槽に移動させます。
発酵槽は「ウォッシュバック」とも呼ばれます。
この発酵槽は木製であったり、金属製であったりします。
昔ながらの木製の発酵槽では、酵母菌以外の様々な微生物が発酵槽表面に住み着くことでより複雑な反応を起こしてウイスキーに深みを与えます。
また、使えば使うほどより複雑な味わいをもたらしてくれます。
逆に現代的な金属製の発酵槽は衛生的な管理がしやすく、安定した品質のウォッシュを生産できるといった利点を持っています。
つまり、発酵槽が何で作られているのかはウイスキーの味に影響するということです。
また、発酵槽に入れるウォートは酵母が最も活動しやすい温度(20℃前後)に調節されています。
酵母菌を加える
次に発酵槽の中に「酵母」を加えます。
この時用いられる酵母で一般的なのが「DISTILLERY YEAST(ディスティラリー・イースト)」という種類の酵母です。
これはウイスキーの発酵に最も適しているとされる株を分離・培養して作られた酵母菌です。
「DISTILLERY YEAST」以外にも、他にも様々な種類の酵母を用いることでウイスキーそれぞれの個性が生じてきます。
発酵させる
酵母を加えたら、いよいよ発酵です。
発酵初期には酵母は糖を活発に分解し、一気に増殖します。
すると糖の分解と同時に大量の二酸化炭素ガスも放出されて、発酵槽の中が泡で埋まります。
なので泡が溢れないように発酵槽の天井には大きなプロペラのような羽がついていてゆっくり回転させることで泡をつぶしています。
また糖の分解と同時に発せられる熱によって、発酵槽の温度は約30℃まで上昇します。
そうして約40時間後には酵母の発酵が終了して、次第に酵母の数も減っていきます。
最終的に60時間ほど発酵させて、発酵を終了とします。
発酵時間と味の関係

発酵をどれぐらいの長さ行うのかは完成するウイスキーの味にも影響を与えます。
短い発酵時間だと出来上がったウォッシュの酸味は弱く、仕上がるウイスキーは重い風味を持つようになるといわれます。
逆に、長く発酵させると強い酸味のウォッシュが出来上がり、仕上がるウイスキーの口当たりは軽いものとなるといわれます。
まとめ
今回は製造工程3つ目の「発酵」を詳しく解説しました。
発酵の工程では
- 「発酵槽は何を原料とするか?」
- 「どんな種類の酵母を用いるか?」
- 「どれぐらいの時間をかけて発酵させるか?」
などが完成したウイスキーに個性を与えるようです。
次の工程はいよいよ「蒸留」です。
ではまた!
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